第12章・造作〜手間          
平成22年 3月 2日          
 つくづく想う事。
 家造りは、さまざまな工程の積み重ねである。
 独立した作業なんてほとんどない。
 職人さんは皆プロだから、自分の作業は勿論のことその後の別の職人さんの 施工を考えた上で造作をするのである。
 柱を組む人はその後のボード貼りに、ボード貼りはパテ埋めに、パテ埋めはクロス貼りに。
 自分の専門以外の施工内容も熟知していなければならない。
 そこに素人が混じるから、面倒臭い事態が発生する。

 電気配線を自分でやった俺は、その後の作業をほとんど知らなかった。

 電線だけを見れば、それなりに綺麗に配線したつもりだった。
 しかし、それが天井貼りには不都合であり、山田さんは俺の貼ったステップルを全部外して、 梁をザグって貼り直してくれていた。
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