第5章・基礎〜餅つき          
平成21年 12月 30日          
 現場近郊の実家で、親戚縁者が集まっての毎年恒例の餅つき。

 つきたての餅に、黄粉、バター醤油、大根おろしなどをまぶして、現場に差し入れに行くと、 昨日、年末の挨拶を終えていた高石さんも来ていたので、皆に食べて頂いた。
 これで作業終了の尾崎さん、基礎下請会社の方、高石さんにあらためて年末の挨拶。

 「よいお年を」

 それから実家に戻り、餅つきを終えて家族を初の現場見学に連れて行くと、まだ3名が歓談していたので3回目の 年末の挨拶。言うほうも聞くほうも苦笑いしかない。

 良樹にも挨拶をしておこうと携帯電話をかけた。

「おう、俺今、関空。今からベトナム行ってくるからよ。あっちは正月が違うから仕事は続くんだぜ。 帰ったらまた連絡するわ。んじゃ。ええ年を」

 忙しい男だ。

昨年の餅つきで杵の柄が根本からブチ折れたので、切って付け直してある。
「柄が折れるなんて縁起でもねえ」
と、去年の今日は心配していたが、特に罰も当たらない一年だった。
実は当っていたのだが、気がつかなかっただけかもしれない。
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